インプラントは歯を失ってしまった場合の1つの選択肢
こんにちは、三好歯科 自由が丘 院長の三好です。
今回は『インプラント治療』について述べていこうと思います。
皆様はインプラントと聞いてどういったことを想像されますか?
『保険が効かないから高い』『ネジを入れる』などでしょうか。
今では一般の方に広く知られるようになったインプラントですが、まだ言葉自体を知らない方、理解していらっしゃらない方が多いです。
インターネットで偏ったイメージや知識を持つ方もおられます。
<歯を失った場合、インプラントはあくまで一つの選択肢>
インプラントが歯科治療として行われ始めたのは1960年代以降です。
そこから現代まで専門的な歯科医師等により様々な考察、議論がなされて、今ではほとんどの歯医者で普通に行われるようになりました。
皆様に知っていただきたいこととして、歯科におけるインプラント治療は『歯を失ってしまった』方に対する治療の『1つの選択肢』だと言うことです。
たまに『歯の神経をとる、歯の神経を抜く』事を『歯を抜く』と勘違いされ方もおられますが、歯の神経を取る(抜髄)と歯を抜く(抜歯)は全く意味が違います。
歯は頭の部分(歯冠)と歯の根の部分(歯根)から成り立っています。
抜髄は歯根は残して利用し、歯を残す治療です。
抜歯はその歯根も取るので、歯(歯冠と歯根)が完全になくなります。
<抜歯後の3つの選択肢>
歯が完全になくなった後の治療の選択肢として、
インプラント・ブリッジ・デンチャー(入れ歯)の3つがあります。
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インプラント
ブリッジ
デンチャー(入れ歯)
●保険適用
ブリッジ・デンチャー(インプラントは特別な場合のみ保険適用:後述)
●保険適用外(自費診療)
インプラント・ブリッジ・デンチャー
ブリッジとデンチャーは保険と自費の両方があり患者様からするとややこしいですが、審美性の高いものなど材料によって変わります。
インプラントは基本的に自費診療です。
例外として下記のような特殊な状況下で正確な診断がある場合保険適用になることもあります。
・病気や第三者行為の事故により、顎の骨が広範囲に渡り欠損した
・生まれつき3分の1以上顎の骨が欠損しているor形成不全があると診断された
これらに該当する方の場合は多くが大学病院などでの処置となります。
<インプラントについて>
人の歯を人工物で1から再現するためには、先に述べた歯の構造→歯冠と歯根を再現しなくてはなりません。
歯根部をチタン合金製のネジ(フィクスチャー)で、歯間部を各種被せもの(上部構造)で再現します。
この2つを繋げるもの(アバットメント)を利用し、歯全体を再現したもがインプラントです。
◎インプラントQ&A
Q1:インプラントが治療法として一番良いのでしょうか?
A1:いいえ、単純に一番良いとは言えません。年齢や口腔内の状況、検査結果によってはブリッジやデンチャーが第一選択になってくることもあります。
Q2:インプラントはなぜ高い費用がかかるのですか?
A2:治療の際に必要となるネジ(フィクスチャー)の費用、手術をする際の適切な滅菌環境を整えるコスト、術者やアシスタントの人件費、被せものを作成する技工士への費用など非常にコストがかかります。インプラントのメーカーや使用材料によってはコストを安く抑えることも出来ますが、その分様々なリスクがあります(詳しくは後述)。
世界3大インプラントメーカーを用いたインプラント治療の場合、スタンダードなもので1本35~45万ほどです。
ちなみに、ご自身の天然歯に値段をつけると1本100万以上と言われています。
Q3:インプラント治療は誰でも受けられますか?
A3:いいえ。誰でも受けられるものではありません。
歯根部を再現するネジ(フィクスチャー)は歯根と同様に顎の骨(歯槽骨)の中に入れます。
骨が十分無ければ治療ができません。
骨が足りない方の場合、骨造成(GBR)と言われる処置を行い人工骨を足して治療をしたり、自分の骨(自家骨)を移植して治療を行わなければなりません。
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しかしこのGBRによるオペは非常に繊細で世界中で様々な議論がされております。
GBRを受ける方の状態にもよりますが、入念な治療計画とご相談が必要になります。
また全身的な疾患(コントロールされていない糖尿病、高血圧など)や服用or点滴で常用しているお薬(骨粗鬆症、血をサラサラにするなど)の状況、生活習慣(ヘビースモーカー、アルコール依存など)の状況によってはリスクが高いため治療をお断りすることもあります。
Q4:インプラント手術中や帰宅後は痛いですか?腫れますか?
A4:インプラントの本数や部位、GBRの有無・規模によっても変わってきます。
インプラント手術中は麻酔(虫歯治療と同じような局所麻酔)を使いますので痛くないです。もし痛みがあったらその都度麻酔を足すので、痛みを我慢しながら治療をすることはまずありません。
帰宅後、麻酔が切れてくると痛みは多少出てきます。痛み止めを処方しますので服用していただければ、個人差もありますが痛みはほぼ消えます。
腫れはおおよそ術後2~3日がピークで、1週間でほとんど平常に戻る方が多いです。
Q5:インプラント治療の期間は?何回通うことになりますか?
A5:インプラント治療自体はスタンダードなもの(GBRなどを伴わない)で下記の流れで行います。
1 診査・診断
2 費用を含めたご説明
3 1次オペ→糸取り
~期間をあける~
4 (2次オペ→糸取り)
5 型取り(印象)
6 セット
2次オペは人によっては必要ないため、来院回数自体は多くありません。
しかし、オペ後、平均2~4ヶ月期間をあける必要があり、患者様の状態によって変わりますが、合計期間は数ヶ月程度かかります。
期間をあけなくてはならない理由は、ネジ(フィクスチャー)と骨が結合する(オッセオインテグレーション)までの時間を待たなくてはならないからです。
また、インプラント部を含めたメンテナンスはずっと必要です。
これはインプラントの有無に関わらず『何も問題がなくても歯科医院に定期的に通う』というスウェーデン式予防歯科の最も大切な考え方です。
スウェーデン式予防歯科については三好歯科 自由が丘|診療メニュー|予防歯科・メンテナンスのページをご参照ください
Q6:インプラント手術の成功率は?失敗することもあるのか、その場合どうなりますか?
A6:医療に絶対はありません。ドラマのように、100%大丈夫と言い切ることはできません。
インプラントで言うと、失敗というのは語弊がありますがネジが骨と結合する期間をおいても結合しない事があります。
原因は様々で、骨の状態、オペの状態、結合期間中の患者様の生活(ヘビースモーカー、歯ブラシ不足)や全身の状態(糖尿病)なども複雑に関わってくるので断定もできません。
失敗と言うものではありませんが、この場合再度オペを行い、適切な期間をもう一度おく必要があります。
オペ中に異常な出血や患者様の体調変化、麻酔が効かないなど歯科医が危険と判断した場合は、オペを中止することもあります。
インプラントのネジ(フィクスチャー)の方向が予定とズレるなどのミスは、今ではコンピューター上でシミュレートし、ガイドと言われるものを作製することでかなり少なくなりました。
(三好歯科 自由が丘ではストローマンガイドシステムを利用しています)
Q7:インプラントはどのくらいもちますか?高額なので一生使いたいです。
A7:我々も一生もたせたいです。しかし、インプラントの処置をした時の骨の状況や年齢、『患者様の日頃の口腔ケアと生活習慣』などによっては、一生もたせることが困難になる場合が多々あります。
インプラントの大敵は周りを支える骨が無くなることです。
そして、骨を失う最も多い原因は『歯周病』です。
インプラント自体がう蝕(虫歯)になることはありませんが、骨はありますので歯周病にはかかります。
インプラント周囲の歯肉に炎症が起き、骨が喪失してくるが『インプラント周囲炎』で、インプラントがかかる歯周病といって差し支えないです。
天然歯のような免疫機構(細菌と戦う)が存在しないため、天然歯よりも治療がしにくく進行も早いです。
インプラント治療が必要になったということは『何かが原因で歯を失った』ということです。
その原因が例えばう蝕(虫歯)や歯周病なら、その原因を改善しないままインプラント治療を行うことは非常にリスクが高いと言えるでしょう。
ご自身の歯のセルフケアに問題があった方であれば、そこを改善しないでインプラントが一生持つという可能性は高くありません。
30代までの若い年齢でインプラントを入れる方の場合は、平均寿命を考慮するとより入念に歯を失った原因の根本的な改善が必要になります。
5年平均生存率が90%を超える医学的に非常に優秀なインプラント治療ですが、そのインプラントの予後は
『インプラント治療を受ける時の状態』『インプラント治療を受けた後の状態』に大きく左右されることを是非覚えておいてください。
Q8:安いインプラントの広告がありますが、違いは何ですか?
A8:Q2で回答した通り、インプラントの治療にはかなりコストがかかります。
安いインプラントを否定はしませんが、しっかり話を聞いた上で患者様ご自身でご判断いただく他はありません。
インプラントメーカーだけで世界には数百存在します。
我々歯科医ですら、その全てを完全に把握している方などほとんどいないと思います。
ホームページに書いた通り、インプラント治療を行った医院に継続的に通えなくなった場合、メーカー、サイズ、パーツなどが分からなければ、インプラントにトラブルが起きた際に対応できません。
世界三大インプラントメーカー(ストローマン、ノーベル、アストラ)がよく使用されるのは、世界中のインプラント医なら誰でも知っていてパーツも揃えやすい利点からです。
また、これらのメーカーには長い歴史があり、インプラントを入れて長い期間問題がないことがエビデンス(医学的根拠)として出ているからです。
三好歯科 自由が丘|インプラント・ブリッジ・入れ歯|より安全・安心のインプラント治療を行うためにをご参照ください
ご自身に適したインプラント治療の選択は、最後は歯科医と患者様のやりとりです。
ご自身で見て、聞いて、その上で判断をしていただくことが一番大切です。
三好歯科 自由が丘 では天然歯をできる限り残す歯科医療を目指します
インプラント治療は『不幸にも歯が無くなってしまった方に対する選択肢の1つ』に過ぎません。
その1つだけでもたくさんの情報があることを知っていただきたいと思います。
医療に絶対的なものはありません。
しかし、この患者様の状態ならこんな治療方法がベストという判断はできます。
日本の歯科医療は保険と自費が入り混じり非常に複雑で、一般の患者様には情報としてしっかり伝わっていないことも多々あります。
三好歯科 自由が丘は、歯科医師と患者様とのお話(ご説明・ご相談)を最も大切に『天然歯をできる限り残す』をモットーに治療を進めています。
全てをお話した上で患者様と歯科医師の考えをすり合わせ、最良のゴールを目指すことを大切にしています。
ご自身の歯や口腔内にお悩みがある方は、一度お話だけでもされてみませんか?
皆様のお問い合わせをお待ちしております。
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